ソリュート-S ’01年02月 |
宇宙をさまようソ連衛星の残骸の名前のようですが、
実は完全機械式中判一眼レフ(6x6)。
ハッセルブラッドの初期モデル1000Fのコピー機です。
ハッセルブラッドと言えばテレビコマーシャル何かでプロの写真家が
モデル撮影に良く使っている銘機。
カメラマニアとしては憧れの一品。
憧れと言うのも中古でも2,30万円、
交換レンズだけでも10万円を下らない世界。
と言って最新のメカニズムが入っている訳でもなく、
ツァイスのレンズが使えるというだけで
普通の人はなかなか踏み込めないでしょうね。
そんな事で私とは無縁のカメラと諦めていたのですが、
フォトショップ斎藤さんにゴールドライカ注文の際
このカメラに関して質問したら、
いかがでしょうかとのご案内。ロシアカメラなもので3万一千円也。
誘惑に負けて注文を出した次第。
ところが、出荷寸前にシャーター不良で売れないとのメール。
こちらも完全にその気になっていたので、
少々おかしくても引き取りますとのメールのやりとり....
私の根気に負けたのでしょうか、
斎藤さんからジャンク価格で送ってもらいました。1万4千円也。
標準レンズ、予備のフィルムパック、露出計と皮ケース付ですから
アクセサリー価格としても安いですね。
本体ボディにしても傷一つなく、まさしく新同品。
残念ながら本当にシャッタースピードがバラツキ、
2回に1回ぐらい正常に落ちればいい方の状態。
まあハッセルの雰囲気だけでも味わい、
シャッター占いにでもしようかとも考えたのですが
修理に挑戦。と言っても機械式カメラ、隙間から見える歯車数多し。
へたに分解すると歯車・バネが飛び散ると占いさえも出来なくなりそう。
そこで現代の兵器「クレ5-56」登場。
ここぞと思うところに2,3回吹き付けたところ、
シャッターが正常に落ちるようになりました。
そしてまた最初から聞いていたフィルムパックの光線漏れについては
教えてもらっていたロシアカメラのページを参考に黒い接着剤にてコーキング。
(なんせ一応建築士なもんで....同業者なら笑えるお話)
フィルムパックの取り付け爪が歪んでいるようなので、
金槌でたたき直しました。
そしてこれだけではまだまだ不十分とやすりを持ち出す始末。
本物のハッセルでココまでする人はいないでしょうね。
果たして結果は如何に....
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続ソリュート-S(光線漏れ対策) ’01年03月 |
どうも次々とカメラが増えていくもので、
ファイルが大きくなって表示速度が遅いようです。
形式を変えるのも面倒ですのでガマンしてください。
画像付きで使い方教室でもと考えたのですが益々重くなりそうで中止。
使い方教室と云うのも、この度かなりの部分で実写に成功して
自信を深めた事に拠ります。
もしこの手のカメラに出会い、光線漏れに悩むような事があれば
参考にしてください。
遮光のためのモルト張替えも必要ですが、
問題はボディとフィルムバックとの接着面。
黒く塗られた凹凸のあるアルミプレートが噛み合うようになっています。
ところがその周りのアルミ枠がそのアルミプレートより
出ている場合があります。
そんな時はやすりで削ってください。ア
ルミ枠は柔らかいもので簡単に削れます。
削りすぎにご用心。それとシャッター幕を破らないように....
かなりの部分解決しそうです。
アルミプレートの凹凸段差が約0.5mmぐらいしかないので、
プレート・枠それぞれが少しでも突出していると、
凹凸が完全に噛み合いません。
私の場合、コマ送り調整を試みてフィルムバックの分解をしたのですが
実はここにもモルト。出来ればこれも張り替えてください。
分解までしたくなければ、黒い接着材などでコーキング。
モルトは私の場合毛糸を接着剤で貼り付けて黒いマジックを塗りました。
これが私の遮光対策。やってみてください。
と書いていたところ、予備のフィルムバッグの2回目の現像が
出来上がってきました。
やはりかなりの光線漏れ、バッグ自身に歪みがあるのかも知れません。
削り過ぎた訳でもないのですが、少々のガタツキ。
どうやら、前使用者がこのバッグを落としたかで
アルミプレートに歪みがあり、密着できないと納得した次第。
そこでアルミプレートの凹部にいつもの黒い弾性接着剤にてコーキング。
一応のガタツキ解消。もう一度だけ試写をしてみましょう。
幸いにシャッターは完全のようで、12枚全て露出していましたので一安心。
フィルムバッグは先に書いたように一つ助かりましたので、
予備のバッグはアルミプレートを一度外して
木槌ででも思いっきり叩くのもいいかもしれません。
私としてもココまで触り倒したカメラは初めて。すごく愛着を感じています。
現代のカメラなら調子が悪いと言っては修理に出し、
カメラを開く事など思い浮かびもしません。
電気を一切使わない全て手動のカメラを手元に置くのもいいですね。
もちろんオマケの露出計も電池は使いません。
革ケースの上に値段シールを剥がした跡。
値段の安さに次々とカメラ好きを渡り歩いたのでしょうね。
あまりの光線漏れに呆れて手放したことでしょう。
ついに私のところで安住の地を見つけたようです。
ところでフォトショップ斎藤さんのところで
モスクワオリンピック記念のゼニットをSOLD OUTにしたのは実は私です。
このソリュートをジャンク価格で譲ってもらい、
おまけに実写まで出来るようになったもので気をよくして注文してしまいました。
残念ながらこのゼニット、露出計付きながら恐ろしく初期の一眼レフ。
使いにくさはソリュート以上。
開放でピントを合わしてから絞り込みます。そのピントリングもフラフラの状態。
シャッタースピードも1/30の下は即バルブ。
1秒とか1/2のシャッター音を聞くのが好きなもので、そのまま防湿庫入り。
オリンピック記念の刻印のみが救い....?
斎藤さんからオマケにスーパータクマー50mmf1.4のレンズも付けてもらいました。
残念ながらレンズが黄色に変色しているようで実写は無理のようです。
しかしf1.4のレンズ、こんなにピントが合わせ易いとは驚きました。
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ソリュート-S
(ハッセルブラッド1000Fのロシアコピー)
レンズ ベガ12B 2.8/80
35mmカメラ換算で48mm
電池を一切使わない機械式カメラ。
一方通行のブローニーフィルムの装填。
遮光用の引き蓋等、かなりの儀式的操作が必要。
フィルムを巻き上げてから
シャッタースピード調節を
行なわないとかなりの確率で壊れるそうです。
壊れるとジャンク品に逆戻りです。
修理不可能で新しいものを買ったほうが
安いようです。
大型の金色に輝く金属幕フォーカル
プレーンシャッターは
小気味良く音を立てて切れます。
実はこのシャッター音が聞きたかった
だけなのですが...
そしてこのカメラ、ミラーがクィックリターン
じゃないので、シャッターを切ると
ファインダーがブラックアウト。
フィルムの巻き上げ操作と共に
ミラーが戻ってきて画像が現れます。
この時にまた快感。
フィルムと同じ大きさのファインダーを
上から覗き込み
ピョコンと立ち上がる付属のルーペで
ピントを合わします。
もしかして結構使えるかも....
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付属品として予備のフィルムバッグ
露出計と革ケース。このケース、
無駄のないがっしりした作り。
余裕がなくてフィルターさえも
はみ出します。
さすがに革作りの本場....? |
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